お金がなくて食べるものにも困るような状態に陥ったあなたは、
「この状況を打開するためになにか良い方法はないのか」
と、いろんなキーワードで検索したことでしょう。
そこでこんな言葉を目にしたことはありませんか?
- 本当に困ったときは行政を頼りましょう
- 日本は豊かな国で支援制度も整っているから餓死することはない
- 最悪生活保護がある
私も生活に困窮し、なにか打開策がないかと模索していた時によくこれらのアドバイスを目にしました。
ありとあらゆる手を尽くしてもう打つ手がない状態になった時にこの言葉を思い出し、役所に助けを求めに行ったことがあります。
結果どうなったか...ものの見事に淡い期待は裏切られました。
この国はそんなに甘くなかったということを思い知らされただけでした。
この記事ではその時の体験談をお伝えしていこうと思います。
もしこれからあなたが
- 国の支援制度を利用しよう
- 役所に相談に行こう
- いざとなったら国が助けてくれるだろう
このように考えて行政に頼ろうとしているなら、いったん立ち止まってこの記事を読んでみてください。
安易に「いざいう時は国が助けてくれる」と考えて行政を頼ると、私のように「時間の無駄だった」とか「嫌な思いをした」という結果になりかねません。
そんなことにならないようにこの記事を読んでもう一度よく考えてみていただければと思います。
困ったとき行政を頼る。ほんとに助けてくれる?
行政の支援制度は確かに複数存在しています。
- 生活保護
- 生活福祉資金貸付制度
- 住居確保給付金
- 一時生活支援
- 傷病手当金
など様々なものがあり一見充実しているように見えます。
しかし、これらの支援制度は本当に申請したら簡単に利用できるものなのでしょうか?
例えばこれらの支援制度のなかで最も聞き馴染みのある生活保護ですが、その捕捉率は22.9%(2018年時点)と非常に低い数値に留まっています。
(ちなみに外国では、イギリスで87%、ドイツで85%と日本の4倍以上となっています。)
*捕捉率とは...生活保護基準を下回る経済状況にある世帯が実際に生活保護を受給している割合のこと言います。
捕捉率2割程度(本来生活保護を受けるべき人の5人に1人程度)という数字だけを見ても非常に狭き門であることがわかりますが、さらに実際に受給している人のほとんどが高齢者という事実を知ると現役世代が生活保護を受けるのはほぼほぼ不可能に近いということがわかると思います。
なぜ日本の生活保護受給率が低いのかというと、生活保護を受けることが恥ずかしいという認識が日本人に植え付けられていてそもそも申請をしないということも一因ではありますが、審査の厳しさや窓口で追い返されてしまうというケースが多いことが大きな問題となっているようです。
このようにこの国には支援制度はあるものの実際に利用しようとすると非常にハードルが高く、審査が厳しいものばかりなんですね。
最近この国の首相が「最終的には生活保護があるから特別定額給付金は出しませんよ。生活困窮者は支援制度を利用してね」みたいなことを言っていましたが、「そんな簡単に利用できるもんじゃねーんだよ!」ということは知らないんでしょうね...
やはりお金に本当に困ったことがない人は制度があることは知っていても、実際には現状がどうなっているかは知らないんでしょう。
だから、「本当にお金に困ったときは行政を頼れ」とか、「日本で餓死することなんかない」という人は本当にお金に困ったことがない人ですね。
知識としてそういう制度があることを知っているだけで実情は知らずに、したり顔でアドバイスをしている人にしか私には思えません。
ということで...行政から提示されるさまざまな条件に該当し、数ある審査のハードルを越えることができ、さらにはその結果がでるまで気長に待つことのできる人は、困ったときに行政を頼れば助けてくれると言えるでしょう。
高齢者や障がい者であれば助けてもらえる確率もウンと上がるのではないでしょうか?
しかし、そうでない人が行政を頼って助けてもらえる確率はかなり低いと思います。
実際に私はお金がなくて困ったときに行政を頼った結果あっさりと打ち砕かれました。
その時の体験談をお伝えしていきたいと思います。
お金がなくて困ったので行政に頼った結果【体験談】
その時の私はお金がない極限状態にありました。
給料日から3日しかたってない状態で全財産は千円を切っていました。
先月の滞納していたあらゆる支払いのためにその月の給料のほとんどを費やしてしまいました。
そしてその時の私にはお金をつくる手段はもうなにも残されていませんでした。
売れるものは売りつくし、借金もし尽くし、債務整理をしていたため金融ブラック状態であらたな借り入れはもちろんできず、クレジットカードも使えません。
携帯のキャリア決済でさえも滞納が原因で使えない状態でした。
本当に万策尽きたという感じで、次の給料日までまるまる1ヵ月をどう乗り切ったらいいのかと途方に暮れていました。
なにか方法はないかと必死でネット検索していると出てくる「金欠を乗り切る方法10選」みたいなタイトルの記事を見つけてはクリックしてみていました。
その記事の中に出てくる方法は「節約する」とか「支出を見直す」といった焦っている私の神経を逆なでするようなものだったり、「ものを売る」や「借金する」というような「もうとっくにやっとるわ!」というようなものがほとんどでしたが、その中には私がまだ試したことのない方法が1つ載っていました。
それが「本当に困ったときは行政に頼る」というものでした。
頼ろうとした支援制度とは?
その記事にはこう書いてありました。
『日本にはあまり知られていないだけで様々な生活困窮者を支援する制度があります。本当に生活に困っているなら恥ずかしいと思わずにそういった制度を利用しましょう。』と...
その言葉を真に受けた私は本当に困っていれば行政に頼れば助けてくれるんだなと勘違いをして役所に行ってみることを決意しました。
私が利用しようとした制度は、
「緊急小口資金貸付制度」
という少額の資金を無利息あるいは低金利で貸してもらえるという制度です。
当時の私は週5日普通に働いていて生活保護水準を上回る程度の定期収入はあり、体は健康そのもの障害も一切ないという状態のため利用できそうな制度がこれぐらいしかなかったんですね。
さらに『緊急』とついているぐらいだから申請すればすぐにでも貸してくれると思ったんです。
「明日食うものにも困るような状態でのんびり待たなきゃいけないような制度を利用しても意味がない。今の自分にはこの制度しかない...」
そう思いながら、仕事を早上がりして役所に向かいました。(もちろん役所に行くための交通費もないので自転車です。)
役所に行ってみた
役所に到着した私はどこに向かえばいいのかわからなかったのでとりあえず福祉課らしきところに行って聞いてみました。
「あの...緊急小口資金貸付制度の申請をしたいんですけどどこにいけばいいんですかね?」
すると職員の人は何を言っていいるんだこいつは?といった表情で私を見ながらこう言います。
「え...なんですか?きん...?なんですか?え...?」
全く話が通じませんでした。
仕方なくお金が全くなくて困っていてネットで検索したらそういう制度があることを知ってその申請をするために来たという趣旨を説明しました。
「あ~...そうですか...あの、ちょっと私分からないもんで、ちょっと電話してみますのでちょっとまっててもらえますか?」
そう言って職員の人は奥に消えていきました。
10分ほど待っていると先ほどの職員の人が戻ってきてこういいます。
「どうもその申請こちらじゃできないので、この電話番号に電話してもらっていいですか?」
私は渡された電話番号に電話をかけることになりました。
その電話で緊急小口資金の貸し付けを申請したいことを伝えるとようやく話が通じました。
そこから諸々の個人情報を聞かれ、なぜそのような状態になったのかを事細かく聞かれ、私はすべての質問にしっかりと答えました。
緊急の意味って...?
電話で話すこと10分...いや20分くらいでしたかね...
その電話口の担当者の人が最後に発した言葉にわが耳を疑いました。
「わかりました。では、その内容で審査しますのでお待ちください。審査結果は2~3週間後にでます。」
2,3週間?
「(え?いやいやいや...話ホントに聞いてました?明日食うにも困ってるのに2,3週間も待てるわけないだろ)...そんなに時間かかるんですか?」
動揺を隠しながら私は聞き返しました。
「ええ、それぐらいかかりますね」
その担当者はこともなげに言い放ちます。
「いや、そんなに待てないんですよね...」
「そういう決まりですので...」
「そうですか...わかりました。じゃあもういいです。」
「そうですか。では申請は取り下げということでよろしいですね?」
「はい...それで...だいじょうぶです。」
「かしこまりました。では失礼します。」
そんな会話のやり取りをした後私はそっと電話の受話器を置きました。
電話を終えた私の心の中にはフツフツと怒りが湧いてきました。
「なんなんだよ!緊急って言ってんのにどんだけ待たなきゃいけないんだよ!」
そして、落胆しました。
「結局ダメだったか...どうしよう...もう手がない...もう...死ぬしかないのかな?」
そんなことを考えながらフラフラと自転車で自宅へと帰りました。
以上がお金がなくて困ったときに行政を頼ってみた体験談になります。
結果としては時間と労力を無駄にして怒りと絶望を背負って帰るという最悪の結果となってしまいました。
最後に...
今回はお金がなくて本当に困ったので行政を頼ってみたときの体験談をお伝えしました。
この体験で分かったことは
- この国の行政はほんとに困っていても助けてはくれない
- 困ったときは行政を頼れとアドバイスする人はほんとにお金に困ったことがない
という2つのことです。
まぁこれだけ自己責任論がはびこる社会ですからね。
貧乏・困窮・貧困もすべて自己責任ということなんでしょう。
もし、あなたが「困ったときは行政に頼れ」というアドバイスを真に受けて頼りに行こうとしているなら相当厳しいことを理解して、それなりに絶望させられる覚悟を持って行った方がいいです。
無駄足に終わる確率の方がかなり高いと思いますから、くれぐれも期待していかないようにしてください。
ちなみにこの時のピンチは後払い決済で食料を買うことでなんとか乗り切ることができました。
今あなたが金欠状態でピンチということで行政を頼ることを考えるほどならば、別の記事で私が数々の金欠でヤバかった場面を乗り越えるために行なった方法を紹介していますのでよかったら参考にしてみてください。
その記事はこちら。
→【金欠を乗り切る方法】私が数々のピンチを乗り越える際に行なった手段を全公開!
でわ!また!
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