今回は私が全くお金がなくて電車にも乗れなかったときに人のやさしさに触れたときの話をしたいと思います。
普段なに不自由なく暮らしていると人のやさしさに触れるという機会もなかなかないかと思います。
自分以外の他人がうっとおしく感じたり、みんな敵なんじゃないかと思ってしまっていたり…
でも意外と親切な人って多いんですよね。
困っている時こそ人のやさしさに触れることができるんです。
この話は私がお金がなくて困っていた時に見ず知らずの人に助けられた実体験になります。
お金がなくて困っていると心がギスギスしてしまいますが、そういう時だからこそ感じられるものがある。
そんな時だからこそ知ることができるものがあるということをこの体験談からお伝えすることができればと思います。
お金がなかった当時の状況
ここから私の体験談をお話ししていこうと思います。
お金なさ過ぎて飢え死に寸前
その当時の私はそれは…もう...絶望的にお金がなかったんです。
一人暮らしで周りに頼れる人は一人もいませんでした。
日雇い派遣でその日暮らしの生活をしていて、常にギリギリの経済状況…
ある時、本当にお金がなくてピンチの状態を迎えました。
財布の中には残り9円…今でも忘れません笑
うまい棒すら買うことができない…そんな状態です。
登録制の日雇いバイトをしたことがある人はわかると思いますが、自分が働きたいときに必ず仕事があるとは限らないんですよね。
だから、わりと頻繁にお金がない状態には陥っていましたがこの時はほんとにピークの時期でした。
「このままだと飢え死にしてしまう」本気でそう思いました。
そんな時、運よくなんとか仕事が入りました。(運がいいのか...?)
しかし、なかなか遠方の現場でした。(やっぱり運が悪いのか...?)
私は迷いました。「その現場まで行くための交通費がない...どうしよう...」
でもこのままではどのみち終わりなので仕事を受けるという選択肢しかなかったんですよね。
お金なくて電車も乗れない...移動手段は「徒歩」
私は決意しました。
「よし!歩いて行こう!」と...
自宅の最寄り駅から6駅ほどの距離にあるその現場への道のりは歩けば何時間かかるのか見当もつきません。
(ちなみにその当時田舎に住んでいたので都会の1駅間とは比べ物にならないほど1駅間の距離が長いです。)
さらに当時はグーグルマップもないので本当にたどり着けるのかもわかりませんでした。
(まだガラケーが出始めの頃です)
10時間くらい歩けばさすがにたどり着けるんじゃないかと考えた私はその日の夜に家を出ました。
タイムリミットは翌日朝7時...
「ほんとにたどり着けるのか...?」「いや、何としても間に合わせなければ...」「腹減ったな...」
さまざまな不安とリュックサックを抱え、私は暗闇の中を歩きだしました。
なんとか現場にたどり着く
抱えたリュックサックの中にあるのは、軍手・カッター・派遣会社から持たされる仕事をしたことを証明するための用紙のみ...
地図すらも持たない私の道しるべは線路のみ。
線路沿いに行けばたどり着けると考えていました。
しかし、ずーっと線路沿いに歩けるわけではないんですね...
線路から離れたくはないのに私の思いとは裏腹に道は線路から離れていきます。
「違うんだ!俺が行きたい道はこっちじゃないんだ!」
そう思いながらも体は線路をどんどん離れていきます。
線路から離されながらも私は線路の位置を見失わないように線路に意識を向け線路の方に隙あらば戻れるように一歩一歩足を進めていきました。
「これはまるでかなわぬ恋のようだな...」
なんてことを考えながら...
そんなこんなで夜どうし歩き続け、時には迷いながらもなんとか本日の仕事がある現場の最寄り駅にたどり着くことができました。
時刻は午前6時。
「間に合った!俺の進んできた道は間違ってはいなかった...」心のなかで歓喜に打ち震えます。
そして、駅にて同じ日雇い派遣の同志たちと合流します。
余談ですが、この合流の瞬間が私はものすごく嫌でしたね笑
その日初めて会う人に
「(あの人派遣の人っぽいな…)すいません...○○(登録している派遣会社の名前)の方ですか?」
と声をかける瞬間です。
もし違ってたらどうしようとすごく不安な気持ちになります。(実際間違えたこともあります。これはものすごくはずかしい!)
まぁそんな話はさておき…なんとか無事に現場にたどり着いた私はその時点で疲労困憊でした。
疲労困憊...それでも耐えるしかなかった
眠気と、空腹と、夜どうし歩いて足も痛い、そのうえこれから働くのか...嫌気がさしました。
「でもやるしかない!」
私は自分の心に鞭をうってなんとか与えられた仕事をこなします。
幸いなことに人とのコミュニケーションは一切必要ない仕事だったので死んだような顔をしながら黙々と作業をこなし、何とか乗り切ることができました。
終業時間の19時を迎え仕事を終えた私は、
「よし!何とか乗り切った!やったぞ...あとは帰るだけだ...帰る...そうだった...また歩きなんだ...」
安堵の後の絶望感…これはなかなかのものでした。
一難去って、一難去って、一難去ってまた一難という感じです。もう頭の中は「なんなん?何難?」といった感じでなんだらけです。
身も心もボロボロです。
しかし、歩くほかに帰るための手段は無し...
私は歩くしかなかったんです。
来るときに通った道を私は再びトボトボと歩き始めました。
極限状態で人のやさしさに触れる
睡魔と空腹と疲労にとことん襲われながら来た道を逆に歩いていきます。
来た道を戻るだけだから簡単だろうと思いきや、意外と来る時とは景色が逆になり道がわからなくなります。
疲労も限界をとうに超えていました。
「道わかんなくなった...あれ?こっちでよかったんだっけな?もう考えるのもしんどい...」
とうとう歩けなくなり、道端に座り込んでしまいました。
「もう無理だ...疲れた...ちょっと眠ろうかな...」
季節はもう10月になっていて夜になるとかなり寒くなっていましが、もうそんなことはお構いなしで私の意識は暗闇に消えていきました。
見知らぬおじさんに助けられる
「...した?」
「...うした?...ぶか?」
「どうした?大丈夫か?」
私に対して話しかける声に気が付き目を開けると、そこにはおじさんが一人立っていました。
「俺はほんとに寝てしまってたんだな…誰だこのおじさんは?」
そう思いながら周辺を見渡すとバスが止まっていました。
どうやらそのおじさんはバスの運転手のようでした。
わたしはそのおじさんにお金がなくて歩いて帰ろうとしていることを告げると、
「そりゃ大変だな、まだだいぶ距離もあるだろう?近くまでバスで送ってやるよ」
まさか、こんなことってほんとにあるのか?
と思いながらもそのありがたい申し出を即座に受けました。
「はい!おねがいします!ありがとうございます。」
私はそういってバスに乗り込みました。
そのバスは回送中でお客さんは一人も乗っておらず、車内は真っ暗でした。
真っ暗な車内に運転手と私の二人だけ...
運転手のおじさんは私のことをあれこれと詮索もしてきません。
疲れていたこともあって私の方からも特にこれと言った会話はしませんでした。
そうしてほぼ無言のままバスは私の家の近くに着き、私はお礼を言ってバスを降りました。
去り際におじさんは一言。
「気をつけてな。」
そのままバスは走り去っていきました。
「なんか...不思議な体験だったな。親切な人っているんだな」
そんなことを思いながら感謝の気持ちとリュックを抱えて無事に家へと帰り着くことができました。
ここまでが私が実際に体験した人のやさしさに触れたときのエピソードになります。
まとめ
今回の記事は、
私がお金がなくて電車にも乗れないときに人のやさしさに触れた
という体験談を物語風にお伝えしてみましたがいかがでしたか?
見ず知らずの人に助けてもらうという経験をしたのはこの時が初めてで不思議な感覚でしたが、今振り返ってみてもありがたかったな~と思います。
回送中のバスに乗るという貴重な経験もできました。
困っている時こそ人に助けてもらうチャンス、人に感謝するチャンス、人に頼ることのできる自分に変われるチャンス、人のやさしさを知ることができるチャンス、そう考えてお金がなくて困っていてもできるだけ前向きに、ポジティブに考えていきましょう!
他にもお金がなくてこんな体験もしました。
→【金欠時のレア体験談】お金がなくてパトカーに乗ることになった話
良かったら読んでみてください。
でわ!また!
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